コロナウイルス感染症対策において補助金や助成金が出ていますが、これらが課税対象になるのでしょうか。
給付金、補助金、助成金の種類によって課税関係が異なるため、それぞれどのような課税があるのか確認しておく必要があります。
【今回のコロナウイルス感染症対策において支給された補助金、助成金、給付金】
◎ 持続化給付金等
①持続化給付金(事業者に対し、売上の減少等一定の要件を満たした場合に最大200万円、個人事業主は100万円を限度に支給されるもの。)
②家賃支援給付金(事業者に対し、店舗等にかかる賃料の負担を軽減するため、売上減少等、一定の条件を満たした場合に最大600万円、個人事業主は300万円を限度に給付されるもの。)
③都道府県の休業・時短要請協力金(都道府県の要請に応じて施設の使用を停止したり営業時間の短縮に協力している事業者に対して支給されるもの。)
・・・課税について・・・
これらの給付金・協力金は事業主が法人の場合は法人税、個人事業主の場合は所得税の課税対象となります。一方、消費税の課税対象にはなりません。また、収益として計上する時期については支給決定した日の事業年度になります。
◎ 雇用調整助成金等
①雇用調整助成金の特例(新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動の縮小を余儀なくされた場合、従業員の雇用維持を図るために、労使間の協定に基づき、雇用調整(休業)を実施する事業主に対して、最大1人1日あたり上限15,000円支給されるもの。
②新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金(新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止の措置の影響により休業させられた中小企業の労働者のうち、休業中に賃金(休業手当)を受けることができなかった方に対し、最大1人1日あたり上限11,000円支給されるもの。)
・・・課税について・・・
雇用調整助成金は事業主に対して支給されるものですが、事業主が法人の場合は法人税、個人事業主の場合は所得税の課税対象となります。一方、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金は労働者に直接支給されるものですが、「雇用保険臨時特例法」を根拠とし所得税は非課税として取り扱われます。
消費税は、雇用調整助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金ともに課税の対象にはなりません。
◎ 小規模事業者持続化補助金
経営計画を作成して取り組むポストコロナ社会を踏まえた新たなビジネスサービスや生産プロセスの導入や転換等の取組及びその取組に資する感染防止対策に対し50万円(※特別枠100万円)が補助されます。
・・・課税について・・・
小規模事業者持続化補助金は、事業主が法人の場合は法人税、個人事業主の場合は所得税の課税対象となります。一方、消費税の課税対象とはなりません。
◎ 特別定額給付金
令和2年4月に閣議決定された、日本の住民基本台帳に記録されているものに対し、1人につき10万円給付されたもの。
・・・課税について・・・
特別定額給付金は課税対象になりません。